特集 画像で決める癌手術の切除範囲—典型症例総覧
Ⅶ.胆管癌・胆嚢癌
胆嚢癌に対する肝床切除術
白石 祐之
1
,
野村 寛徳
1
,
伊佐 勉
2
,
砂川 亨
2
,
武藤 良弘
1
Masayuki SHIRAISHI
1
1琉球大学医学部第1外科
2県立那覇病院外科
pp.251-254
発行日 2001年10月30日
Published Date 2001/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904663
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はじめに
進行胆嚢癌に対する切除術式のうち,漿膜下浸潤(ss)胆嚢癌に対しては,胆嚢壁から2〜3cmの肝実質を切除する肝床切除術+3群リンパ節郭清を標準術式とする報告が多い1〜3).また,SSでも肝十二指腸間膜浸潤・肝門側進展が疑われる症例や,漿膜側浸潤の明らかな症例(se),肝実質浸潤がある症例(hinf 1b以上)に対しては,肝外胆管切除や膵頭十二指腸切除の付加,系統的肝切除術式(S4a+S5切除,肝右葉切除)などを選択する必要もでてくる.したがって進行胆嚢癌に対する術式決定には,深達度ss・hinf 1a(固有筋層を越えるが肝実質には達しない)までの症例とse・hinf 1b以上の症例を鑑別することが望ましい.これらの点をふまえ,本稿では漿膜側壁深達度および肝浸潤の術前診断に関して画像所見を供覧する.
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