特集 消化器外科手術の論点2020 誌上ディベートと手術手技
肝胆膵外科 17 早期十二指腸乳頭部粘膜癌に対する術式
北郷 実
1
,
木村 憲央
2
1慶應義塾大学医学部外科
2弘前大学医学部消化器外科
pp.639-639
発行日 2020年3月31日
Published Date 2020/3/31
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001651
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胆道癌診療ガイドラインでは「十二指腸乳頭部癌に対しては膵頭十二指腸切除術が標準治療であり,局所的乳頭部切除術(内視鏡的,外科的)は推奨されない」と記載されている。しかし,膵頭十二指腸切除術はいまだ手術侵襲の大きい術式であり,その合併症リスクも少なくない。一方,早期十二指腸乳頭部癌はリンパ節転移の可能性が非常に低く,予後良好な腫瘍であるため局所的乳頭部切除などの縮小手術も考慮される。われわれは十二指腸乳頭部腺腫に対する切除生検としての局所的乳頭部切除に加え,十二指腸浸潤や膵管・胆管進展を認めない早期十二指腸乳頭部癌と考えられる症例に対しては,縮小手術としての局所的乳頭部切除を行い,報告してきた。
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