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特集 ウイルス感染症
抗IL-6受容体抗体製剤およびメトトレキサート投与中の関節リウマチ患者に発症した水痘肺炎の1例
Varicella pneumonia occurring in a patient with rheumatoid arthritis receiving interleukin-6 blocking agent and methotrexate
高須賀 琴巳
1
,
徳永 萌
2
,
小山 芳伸
2
,
狩野 裕久
3
,
馬屋原 孝恒
1
Kotomi TAKASUKA
1
,
Moe TOKUNAGA
2
,
Yoshinobu KOYAMA
2
,
Hirohisa KANO
3
,
Takatsune UMAYAHARA
1
1岡山赤十字病院,皮膚科(主任:馬屋原孝恒部長)
2同,膠原病・リウマチ内科
3同,呼吸器内科
キーワード:
水痘・帯状疱疹ウイルス
,
水痘肺炎
,
抗IL-6受容体抗体製剤
,
メトトレキサート
Keyword:
水痘・帯状疱疹ウイルス
,
水痘肺炎
,
抗IL-6受容体抗体製剤
,
メトトレキサート
pp.263-266
発行日 2025年3月1日
Published Date 2025/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000005019
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79歳,女性。関節リウマチに対してサリルマブ,メトトレキサート投与中であった。発熱,全身の紅斑と水疱が出現し,血液検査で肝障害,播種性血管内凝固症候群を認め,胸部CT検査で両肺野全体に結節陰影等がみられた。水疱ぬぐい液の水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)抗原検査が陽性であり,水痘肺炎およびVZVによる発疹と診断した。抗ウイルス薬投与と敗血症に準じた治療により,全身症状,皮疹は改善した。自験例では密な丘疹・水疱を認め,水疱周囲の紅暈は大型であった。これらは病勢の強さを反映し,水痘肺炎の合併さらには重症化を示唆する所見であったと考える。文献的考察から,サリルマブは重症化に関与したと考えた。

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