Japanese
English
症例報告
メトトレキサート投与中の関節リウマチ患者に多発したリウマチ結節
A case of multiple rheumatoid nodules occurring during methotrexate therapy for rheumatoid arthritis
小野 蘭
1
,
高橋 奈々子
1
,
北見 由季
1
,
末木 博彦
1
Ran ONO
1
,
Nanako TAKAHASHI
1
,
Yuki KITAMI
1
,
Hirohiko SUEKI
1
1昭和大学医学部皮膚科学講座
1Department of Dermatology, Showa University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
メトトレキサート
,
関節リウマチ
,
多発リウマチ結節
Keyword:
メトトレキサート
,
関節リウマチ
,
多発リウマチ結節
pp.489-493
発行日 2017年6月1日
Published Date 2017/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205135
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要約 69歳,女性.15年前に関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)に罹患し,10年前よりメトトレキサート(MTX)の投与を受けていた.初診1か月前に左肘頭に直径27mm大の無痛性,弾性やや硬の一部囊腫状に触知する結節を生じた.初診2か月後,右1趾掌側の基部に小指頭大の波動を触れる無痛性の結節に気づいた.肘頭はリウマチ結節,足趾は外傷性表皮囊腫を疑い全摘出した.病理組織学的に,いずれも真皮中層に膠原線維の変性巣を取り囲む柵状肉芽腫の所見であり,リウマチ結節と診断した.近年,リウマチ結節の発症にMTXの関与が注目されている.自験例ではRAの病勢はコントロールされていたにもかかわらず短期間に連続して2か所でリウマチ結節を発症した.発症部位が肘頭と母趾基部は刺激を受けやすいリウマチ結節の好発部位であり,その後はMTXを継続しても再発がないことから,MTXによるaccelerated nodulosisには該当しないものと考えられた.
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