Japanese
English
症例報告
成人呼吸促迫症候群を併発した水痘肺炎の1例
A case of varicella pneumonia with ARDS (adult respiratory distress syndrome)
河本 博明
1
,
井上 敏明
2
,
井上 一郎
2
Hiroaki KAWAMOTO
1
,
Toshiaki INOUE
2
,
Ichiro INOUE
2
1公立三次中央病院皮膚科
2公立三次中央病院内科
1Department of Dermatology, Miyoshi Central Hospital
2Department of Internal Medicine, Miyoshi Central Hospital
キーワード:
成人水痘
,
水痘肺炎
,
成人呼吸促迫症候群
Keyword:
成人水痘
,
水痘肺炎
,
成人呼吸促迫症候群
pp.682-685
発行日 2001年8月1日
Published Date 2001/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903661
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35歳,男性.生来健康.初診の2目前より発熱,全身に水疱が出現し急速に増加.水痘の診断で,対症療法にて外来経過観察としたが,翌日より39〜40℃台の発熱が出現し,2日後より激しい咳,胸痛,および呼吸困難も伴うようになり,3日後再診.血液ガス分析にてPaO2が32.1mmHg, O2,飽和度は65.2%と著明に低下し,高度の呼吸不全状態を示した.胸部X線にて両側肺野は全体にすりガラス状で,びまん性に小結節性陰影を認めた.成人呼吸促迫症候群(ARDS)の併発と診断し,人工呼吸器による厳重な呼吸管理およびアシクロビルなどの投与により全身状態は徐々に改善した.成人水痘の場合,病初期には軽症と考えられても,発疹出現1〜6日後に急速に咳嗽,血痰,呼吸困難を起こし,重篤なものはARDSへ移行する水痘肺炎を併発することがある.自験例は経過良好であったが,死亡例の報告もあり,厳重な対応が望まれる.
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