Japanese
English
症例報告
気管支粘膜病変を認めた成人水痘肺炎の1例
An adult case of varicella-zoster virus pneumonia with bronchial mucosal lesions
何川 宇啓
1
,
狩野 葉子
1
,
塩原 哲夫
1
Hiroaki KAGAWA
1
,
Yoko KANO
1
,
Tetsuo SHIOHARA
1
1杏林大学医学部付属病院皮膚科学教室
1Department of Dermatology,Kyorin University School of Medicine,Tokyo,Japan
キーワード:
成人水痘
,
気管支粘膜病変
,
喫煙
,
リスクファクター
,
水痘肺炎
Keyword:
成人水痘
,
気管支粘膜病変
,
喫煙
,
リスクファクター
,
水痘肺炎
pp.353-357
発行日 2011年4月1日
Published Date 2011/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102868
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要約 47歳,男性.水痘の既往はない.17歳より喫煙歴あり.数日前より発熱,小水疱が出現し,水痘の診断で緊急入院した.軽度の咳嗽および呼吸困難症状があり,胸部X線,CTにて両側肺野にびまん性粒状小結節影を認め,水痘肺炎と診断した.気管支鏡にて,気管支粘膜に白色隆起性病変を確認した.入院時,検査所見で水痘帯状疱疹ウイルス抗体価IgM:7.69,IgG:2.6,CD4/8比は1.02であり,その後の呼吸器症状の増悪や全身状態の悪化を懸念して,アシクロビルと免疫グロブリン製剤を投与し軽快した.免疫能の低下に加え喫煙は,水痘肺炎合併のリスクを上昇させる重要な因子である.その点で自験例は免疫能低下を示唆する基礎疾患はないが,ヘビースモーカーであった.最初に水痘患者を診察するのはわれわれ皮膚科医であり,危険因子を有する症例では水痘肺炎の併発に留意して経過をみる必要がある.
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