Japanese
English
症例
ドキシサイクリンとトラニラストが著効した多発性Pseudocyst of the Scalpと考えた1例
Multiple pseudocyst of the scalp successfully treated with doxycycline and tranilast
鯨岡 夏帆
1
,
竹中 祐子
1
,
春日 航
2
,
石黒 直子
1
Natsuho KUJIRAOKA
1
,
Yuko TAKENAKA
1
,
Wataru KASUGA
2
,
Naoko ISHIGURO
1
1東京女子医科大学,皮膚科学講座(主任:石黒直子教授,基幹分野長)
2アイシークリニック新宿院,東京都渋谷区
キーワード:
pseudocyst of the scalp
,
慢性膿皮症
,
膿瘍性穿掘性頭部毛包周囲炎
,
ドキシサイクリン
,
トラニラスト
Keyword:
pseudocyst of the scalp
,
慢性膿皮症
,
膿瘍性穿掘性頭部毛包周囲炎
,
ドキシサイクリン
,
トラニラスト
pp.1851-1854
発行日 2024年12月1日
Published Date 2024/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004914
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22歳,男性。10カ月前より頭部に結節が多発し,排膿と脱毛を伴うようになった。前医で切開や抗菌薬投与が行われたが改善せず当科を受診した。初診時,頭部に2cm大までの疼痛を伴う弾性軟の結節が多発し,脱毛を伴っていた。生検像で真皮から脂肪織に好中球主体の密な細胞浸潤と線維化があり,ドキシサイクリン100mg/日とトラニラスト300mg/日内服で約7カ月後に略治した。臨床的に瘻孔形成がなく,瘢痕性脱毛を残さず比較的速やかに軽快したこと,生検像で毛包壁に破壊像がなかったことから,最終的に多発性pseudocyst of the scalpと診断した。ドキシサイクリンとトラニラストの長期内服は治療の選択肢のひとつとなると考えた。
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