Japanese
English
今月の症例
項部慢性膿皮症に合併した有棘細胞癌の1例
A case of cutaneous squamous cell carcinoma arising from nuchal chronic pyoderma
志水 陽介
1
,
林 健
1
Yosuke SHIMIZU
1
,
Ken HAYASHI
1
1独立行政法人労働者健康福祉機構東京労災病院皮膚科
1Division of dermatology, Japan Labour Health and Welfare Organization Tokyo Rosai Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
慢性膿皮症
,
膿瘍性穿掘性頭部毛包周囲炎
,
有棘細胞癌
Keyword:
慢性膿皮症
,
膿瘍性穿掘性頭部毛包周囲炎
,
有棘細胞癌
pp.293-296
発行日 2017年4月1日
Published Date 2017/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205030
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要約 46歳,男性.中学生時より項部に炎症性腫脹と排膿を繰り返し,徐々に局面を形成した.4か月程前より潰瘍形成と局面の急速な増大を認め,当院を紹介され受診した.初診時,項部から左側頸部にかけ7×8cmの潰瘍を伴う15×8cmの脳回転状皮膚を呈する褐色局面がみられた.潰瘍部からの皮膚生検では,HE染色にて瘻孔形成と,表層・瘻孔表皮から真皮全層にかけての異型有棘細胞様細胞の胞巣形成と浸潤がみられた.以上より項部慢性膿皮症に続発した高分化型有棘細胞癌と診断した.画像検査と病理組織所見より,T3N0M0 Stage Ⅲと病期診断し,外科的切除と術後にイリノテカン/シスプラチン療法を1クール行った.術後6か月経過したが,局所再発,遠隔転移はみられていない.慢性膿皮症は有棘細胞癌の発生母地となることが知られているが,頭頸部領域からの発生は稀である.
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