Japanese
English
症例
ボリコナゾール内服中に下口唇に生じた紡錘型有棘細胞癌の1例
Spindle cell squamous cell carcinoma on the lower lip in a patient taking voriconazole
田村 崇行
1
,
吉田 亜希
1
,
伊藤 裕代
1
,
岸 晶子
1
,
林 伸和
1
Takayuki TAMURA
1
,
Aki YOSHIDA
1
,
Hiroyo ITO
1
,
Akiko KISHI
1
,
Nobukazu HAYASHI
1
1虎の門病院,皮膚科(主任:林 伸和部長)
キーワード:
有棘細胞癌
,
ボリコナゾール
,
口唇
,
spindle cell squamous cell carcinoma
Keyword:
有棘細胞癌
,
ボリコナゾール
,
口唇
,
spindle cell squamous cell carcinoma
pp.1707-1710
発行日 2023年10月1日
Published Date 2023/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004210
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
66歳,男性。10年前より慢性進行性肺アスペルギルス症に対しボリコナゾールを断続的に投与されていた。1~2カ月前より下口唇に結節が出現した。下口唇に長径11mmの角化性の淡紅色結節と隣接した小結節がみられ,組織は真皮に楕円形,紡錘形の異型細胞が増殖しAE1/AE3,vimentinが陽性で紡錘型有棘細胞癌と診断した。ペプロマイシン局所注射で,4カ月後に結節は消失した。ボリコナゾールは中止したが,肺症状悪化のため再開した。治療終了1年10カ月後,再発はない。ボリコナゾールは,代謝産物が紫外線に曝露されることで皮膚毒性を生じ,有棘細胞癌を誘発することが知られているため,遮光指導が重要と考えられた。
Copyright © 2023, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.