Japanese
English
症例
一時的に消退傾向を示したBowen病の高齢女性例
Bowen’s disease in an elder female showing temporal regression
前田 学
1
,
鹿野 由紀子
2
Manabu MAEDA
1
,
Yukiko SHIKANO
2
1八幡病院,皮膚科,郡上市
2堀谷医院,皮膚科,郡上市
キーワード:
Bowen病
,
自然消退
,
高齢女性
Keyword:
Bowen病
,
自然消退
,
高齢女性
pp.1261-1263
発行日 2024年8月1日
Published Date 2024/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004717
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94歳,女性。初診の2~3年前より左上腕部の丘疹が徐々に増大し当科を受診した。左上腕部に20×16mm大のドーム状黒褐色調で表面疣贅状の結節を認め,皮膚生検を予約したが高齢を理由にキャンセルした。1年3カ月後,腫瘤は平坦化,消退傾向のため経過観察とした。初診から3年9カ月後,腫瘤は増大し近医を受診後,悪性腫瘍疑いで当院を紹介受診した。ダーモスコピー所見では一部に角化を伴い,赤色部は血管の拡張が著明で,Bowen癌や皮膚付属器腫瘍などを疑い,皮膚生検を施行した。大型の異型核を有する細胞がシート状に増殖し,真皮の結合組織内への浸潤を認めず,臨床像もあわせBowen病と診断した。マージン2~3mmで腫瘍全摘出術を施行し,再燃・再発はない。Bowen病が自然消退,縮小する現象は諸家の報告があるが,自験例も同様に一時的に消退した例と考えられる。
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