Japanese
English
症例報告
大部分が自然消退したと考えられたBowen病の1例
A case of Bowen's disease which presumably regressed extensively
土屋 海士郎
1
,
柳澤 宏人
1
,
中村 晃一郎
1
,
常深 祐一郎
1
Kaishiro TSUCHIYA
1
,
Hiroto YANAGISAWA
1
,
Koichiro NAKAMURA
1
,
Yuichiro TSUNEMI
1
1埼玉医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Saitama Medical University, Saitama, Japan
キーワード:
Bowen病
,
自然消退
,
アミロイド
Keyword:
Bowen病
,
自然消退
,
アミロイド
pp.400-404
発行日 2024年5月1日
Published Date 2024/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207318
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要約 90歳,女性.右背部に52×33 mmの比較的境界明瞭な淡い紅褐色の角化性局面があり,内部にはほぼ正常に見える部分が多数みられた.Bowen病を考え全切除した.病理組織所見では,表皮の肥厚や異型のない部分と肥厚した表皮のほぼ全層に大小不同の核を持つ異型表皮細胞が極性を失って増殖し,分裂像も散見される部分が混在していた.Bowen病と診断した.また,全体的に真皮上層にアミロイドが沈着しており,表皮細胞の細胞死によるもので,自験例ではBowen病が大部分で自然消退を起こしたと考えた.Bowen病は文献的にも自然消退が起こりうる.自然消退により非典型的な臨床像を呈することがあることを念頭に置くべきである.
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