Japanese
English
症例
多発皮下結節を主訴とした寒冷脂肪織炎の1例
Cold panniculitis with multiple subcutaneous nodules
片桐 正博
1,2
,
並木 剛
2
,
沖山 奈緒子
2
Masahiro KATAGIRI
1,2
,
Takeshi NAMIKI
2
,
Naoko OKIYAMA
2
1北千住皮ふ科クリニック,東京都足立区
2東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科,皮膚科学分野(主任:沖山奈緒子教授)
キーワード:
寒冷脂肪織炎
,
脂肪組織炎
Keyword:
寒冷脂肪織炎
,
脂肪組織炎
pp.1257-1260
発行日 2024年8月1日
Published Date 2024/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004716
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8歳,男児。5歳頃より,毎年冬季に出現し,春季に消退する無痛性多発皮下結節を自覚していた。初診時,淡紅色~暗紫色調のくるみ大までの皮下結節が四肢主体に多発していた。超音波検査では,脂肪織上層から中層の小葉に不均一な低エコー域があり,同部位の脂肪織隔壁はやや不明瞭であった。病理組織像では,脂肪織小葉にリンパ球と組織球の巣状炎症細胞浸潤を認め,表皮基底膜の液状変性や,乾酪壊死像,血管炎の所見がなかったことから,寒冷脂肪織炎と診断した。患児は冬季でも半袖,半ズボンで過ごしており,保温指導を行った。冬に出現し春に軽快する,特に小児の皮下結節を診察した際は,寒冷脂肪織炎を鑑別に,問診を行う必要がある。
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