Japanese
English
症例報告
ステロイド外用の中止および皮膚生検を契機に自然消退した臀部Bowen病の1例
A case of spontaneous resolution of Bowen's disease of the gluteal region following discontinuation of topical steroids and skin biopsy
加藤 有紀
1
,
中村 かおり
1
,
福田 知雄
1
Yuki KATO
1
,
Kaori NAKAMURA
1
,
Tomoo FUKUDA
1
1埼玉医科大学総合医療センター皮膚科
1Department of Dermatology, Saitama Medical University, Saitama Medical Center, Kawagoe, Japan
キーワード:
Bowen病
,
自然消退
,
CD8
,
Foxp3
,
腫瘍免疫
Keyword:
Bowen病
,
自然消退
,
CD8
,
Foxp3
,
腫瘍免疫
pp.867-871
発行日 2024年10月1日
Published Date 2024/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207421
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要約 72歳,女性.2年前より左臀部に紅斑を自覚し,近医内科,前医皮膚科でステロイド外用を行うも軽快なく,当院紹介受診した.初診時,左臀部に径5×4 cm大の境界明瞭な紅斑を認め,ステロイド外用を中止し皮膚生検を行ったところ,表皮全層にわたる異型ケラチノサイトが認められ,Bowen病と診断した.しかし,皮膚生検から2か月後の全摘時には,臨床像が鱗屑を付す淡褐色斑に変化しており,病理組織学的にも表皮内の異型細胞が完全に消褪していた.免疫染色で,皮膚生検組織と比べ全摘標本組織では,CD8陽性細胞数の増加,Foxp3陽性細胞の減少が認められた.臨床,経過および病理所見より,ステロイド外用の中止および皮膚生検を契機に局所の腫瘍免疫が亢進し,Bowen病が自然消退した可能性を考えた.自験例は自然消退を治療として誘導し,患者負担を軽減させる腫瘍免疫療法の可能性を示す貴重な1例になると考え報告した.
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