Japanese
English
特集 真菌症
Microsporum canisによる小児ケルスス禿瘡重症例
-―広範囲の脱毛と顔面に白癬疹を伴った1例―
Celsus’ kerion due to Microsporum canis in a child; a serious case with extensive alopecia and trichophytid on the face
吉田 雅絵
1
,
内山 真樹
2
,
藤森 一希
1
,
大田 美智
2
,
原田 和俊
2
,
出光 俊郎
1
Masae YOSHIDA
1
,
Masaki UCHIYAMA
2
,
Kazuki FUJIMORI
1
,
Michi OTA
2
,
Kazutoshi HARADA
2
,
Toshio DEMITSU
1
1上尾中央総合病院,皮膚科(主任:出光俊郎科長)
2東京医科大学,皮膚科学教室(主任:原田和俊教授)
キーワード:
ケルスス禿瘡
,
白癬疹
,
脱毛
,
ダーモスコピー
,
ヘアブラシ法
Keyword:
ケルスス禿瘡
,
白癬疹
,
脱毛
,
ダーモスコピー
,
ヘアブラシ法
pp.423-427
発行日 2024年4月1日
Published Date 2024/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004499
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6歳,女児。飼いネコに真菌治療歴があった。4,5カ月ほど前から頭部に皮疹が出現し抗菌薬やステロイド外用で改善せず当科を受診した。両側頰部に鱗屑・小膿疱を伴う紅斑,右側頭部に滲出性痂皮,紅斑を伴う脱毛があった。KOH直接鏡検で毛外性小胞子菌性寄生,ダーモスコピーで毛包間に鱗屑・痂皮,broken hairs, black dots, corkscrew hairs, zigzag hairsを認めた。遺伝子検査よりMicrosporum canisによるケルスス禿瘡と診断した。顔面の皮疹はKOH直接鏡検と治療経過から白癬疹と考えた。ヘアブラシ法で陰性を確認し,13週間でテルビナフィン内服は終了した。再発なく,瘢痕を残さず治癒した。ダーモスコピー所見は診断と治療効果判定に有用だった。ケルスス禿瘡は著明な脱毛から予想されるより瘢痕脱毛が少ない。その要因を真菌の感染部位と毛包の解剖から考察した。
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