Japanese
English
特集 真菌症
診断に時間を要した慢性皮膚粘膜カンジダ症の1例
Chronic mucocutaneous candidiasis that took time to be diagnosed
吉江 祐香
1
,
水谷 陽子
1
,
小林 一博
2
,
宮崎 龍彦
2
,
大西 秀典
3
,
永井 美貴
4
,
岩田 浩明
1
Yuka YOSHIE
1
,
Yoko MIZUTANI
1
,
Kazuhiro KOBAYASHI
2
,
Tatsuhiko MIYAZAKI
2
,
Hidenori OHNISHI
3
,
Miki NAGAI
4
,
Hiroaki IWATA
1
1岐阜大学医学部,皮膚科学教室(主任:岩田浩明教授)
2同,病理診断科
3同,小児科
4岐阜県総合医療センター,皮膚科
キーワード:
免疫不全
,
カンジダ
,
STAT1-GOF
,
de novoバリアント
,
真菌感染
Keyword:
免疫不全
,
カンジダ
,
STAT1-GOF
,
de novoバリアント
,
真菌感染
pp.428-432
発行日 2024年4月1日
Published Date 2024/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004500
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9歳,男児。既往と家族歴に易感染性はなかった。3歳より両手指爪の白濁・肥厚と爪囲炎があり,カンジダ陽性のため抗真菌薬を外用したが症状は増悪した。6歳時に当科を受診,アロポー稽留性肢端皮膚炎の疑いでステロイドや活性型ビタミンD3外用で加療し,劇的な改善はないものの症状の増悪はなかった。8歳より口腔カンジダ症を繰り返し免疫不全が疑われた。遺伝子検査にてSTAT1に機能獲得型バリアントを認め慢性皮膚粘膜カンジダ症と診断した。抗真菌薬内服で症状は著明に改善した。本症は皮膚粘膜局所のカンジダ感染をはじめ多彩な表現型を示す原発性免疫不全症候群である。常染色体顕性遺伝だが,家族歴がない場合でもde novoバリアントの可能性を念頭に置く必要がある。
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