陰影細胞を伴ったアポクリン型皮膚混合腫瘍の2例

Two cases of apocrine mixed tumor of the skin with shadow cells

症例1：41歳，男性。左耳前部の結節。症例2：48歳，男性。左眉毛部の結節。病理組織学的に索状ないし結節状に増殖し，管腔を形成する腫瘍を認めた。管腔壁の一部は断頭分泌を示していた。間質は粘液腫様～軟骨様で，アルシアンブルー染色およびコロイド鉄染色陽性であった。星芒状の細胞が散在性に認められた。アポクリン型皮膚混合腫瘍と診断した。2例とも陰影細胞を伴っていたが，症例1では毛母細胞様細胞，骨形成像もみられた。皮膚混合腫瘍に陰影細胞を伴うことは比較的まれであるが，症例1のように毛母細胞様細胞や骨形成像までみられる症例はさらにまれである。