Japanese
English
症例報告
皮表と連続性がみられたアポクリン混合腫瘍の1例
A case of apocrine mixed tumor of the skin in conjunction with surface of the skin
小野 藤子
1
,
塚原 菜々子
2
,
小林 康隆
2
,
太田 有史
2
,
竹内 紋子
1
,
中川 秀己
1
Fujiko ONO
1
,
Nanako TSUKAHARA
2
,
Yasutaka KOBAYASHI
2
,
Arihito OHTA
2
,
Ayako TAKEUCHI
1
,
Hidemi NAKAGAWA
1
1東京慈恵会医科大学皮膚科学講座
2東京慈恵会医科大学第三病院皮膚科
1Department of Dermatology, The Jikei University School of Medicine, Tokyo, Japan
2Department of Dermatology, The Jikei University Daisan Hospital, Komae, Japan
キーワード:
皮膚混合腫瘍
,
アポクリン
,
皮表
,
連続
Keyword:
皮膚混合腫瘍
,
アポクリン
,
皮表
,
連続
pp.545-547
発行日 2007年6月1日
Published Date 2007/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101705
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要約 73歳,男性.数年前より左頰部に自覚症状の乏しい皮内結節が出現し,徐々に増大してきた.初診時,約1cm大の白色調の腫瘍を認め,皮内から皮下にかけて約3cm大の石様硬の硬結を触知した.組織学的には,皮表と連続し拡張した毛包様構造が真皮内で囊腫構造を形成していた.囊腫壁より生じた腫瘍索は,断頭分泌をみる2層性の汗腺様構造,角化物を入れる囊胞,未熟な脂腺への分化を示し,間質には線維芽細胞や脂肪細胞の増殖がみられ,アポクリン混合腫瘍と診断した.一般的に皮膚混合腫瘍は表皮との連続はないとされるが,毛包,脂腺,アポクリン腺は毛芽由来の産物であることを考えれば,皮表と連続性のある毛包構造からアポクリン混合腫瘍を生じてきても矛盾しないと考えた.
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