Japanese
English
症例
悪性化も疑われたSebaceomaの1例
Sebaceoma masquerading malignant transformation
速水 真理子
1
,
速水 淳史
1
,
速水 誠
1
Mariko HAYAMI
1
,
Junji Hayami
1
,
Makoto HAYAMI
1
1速水皮膚科,大阪市(主任:速水淳史理事長)
キーワード:
sebaceoma
,
核分裂像
,
炎症性細胞浸潤
,
MIB-1染色
Keyword:
sebaceoma
,
核分裂像
,
炎症性細胞浸潤
,
MIB-1染色
pp.98-101
発行日 2024年1月1日
Published Date 2024/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004370
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88歳,女性。多数のスキンタッグに混じて径1cm大で黄色調の腫瘍を左頸部に1つ認めた。組織学的には真皮浅層に丸味を帯びた逆三角形の腫瘍が存在し,数カ所で表皮と連絡していた。腫瘍は多数の小葉がブドウの房状につながっていた。小葉の周辺を形成するのはヘマトキシリンに濃染する基底細胞様細胞で,中心部に明るい胞体をもつ成熟した脂腺細胞および導管と思われる空隙がみられた。腫瘍細胞の約50%以上が基底細胞様の腫瘍であったためsebaceomaと診断した。しかし,細胞分裂像が散見され,感染がないにもかかわらず稠密な炎症細胞の浸潤があるため,悪性転化の可能性も疑われたが,MIB-1染色では被覆表皮の基底細胞に比べて腫瘍内には陽性細胞は少なく良性と判断した。
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