Japanese
English
症例報告
顔面に生じた有茎性アポクリン型皮膚混合腫瘍の1例
A case of pedunculated apocrine chondroid syringoma on the face
種本 紗枝
1
,
布袋 祐子
1
Sae TANEMOTO
1
,
Yuko FUTEI
1
1荻窪病院皮膚科
1Division of Dermatology, Ogikubo Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
皮膚混合腫瘍
,
アポクリン汗腺
,
有茎性皮膚腫瘍
Keyword:
皮膚混合腫瘍
,
アポクリン汗腺
,
有茎性皮膚腫瘍
pp.259-262
発行日 2014年3月1日
Published Date 2014/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103920
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要約 83歳,男性.12年前より左鼻下に皮疹を自覚し徐々に増大した.初診時,左鼻翼下に紅褐色,光沢のある25mm大の有茎性腫瘍を認めた.ダーモスコピーで血管拡張像あり.MRI検査にて,不均一な造影効果を認めた.病理組織学的に,HE染色で好酸性に染色される充実構造および腺管構造と,好塩基性に染色される間質構造を認めた.管腔は2層の細胞から構成され,一部断頭分泌像がみられた.また,充実部上皮細胞の一部には,大型で異型の核を有するものや,核分裂像を伴う細胞があった.MIB1/p53染色では,多型性や分裂像を伴う細胞も含め陰性であった.CEAは腺管部管腔側細胞に,S100蛋白は充実部の上皮細胞に,α-SMAは,管腔部の筋上皮細胞に発現していた.上記より皮膚混合腫瘍と診断した.自験例は,比較的大型で,MRIで不均一な造影効果や一部の上皮細胞からは悪性を疑う所見もあり,悪性皮膚混合腫瘍との鑑別が必要であった.
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