Japanese
English
症例報告
脂腺分化を伴った皮膚混合腫瘍の1例
A case of mixed tumor of the skin with sebaceous differentiation
稲津 美穂子
1
,
石川 武子
1
,
大西 誉光
1
,
渡辺 晋一
1
Mihoko INATSU
1
,
Takeko ISHIKAWA
1
,
Takamitsu OHNISHI
1
,
Shinichi WATANABE
1
1帝京大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Teikyo University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
皮膚混合腫瘍
,
脂腺分化
Keyword:
皮膚混合腫瘍
,
脂腺分化
pp.49-52
発行日 2013年1月1日
Published Date 2013/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103515
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要約 79歳,男性.2年ほど前に左眉毛部外側の自覚症状のない結節に気付いた.結節は徐々に増大した.現症は13×8×5mm大の弾性硬の皮内から皮下の結節で,表面は軽度黄色調を呈し,黄白色に透見できる小円形構造とコメド様の開口部があった.病理組織像では真皮内に上皮性成分と一部粘液腫様の間質よりなる腫瘍巣が存在した.上皮性成分は断頭分泌を伴う管腔構造,充実性細胞塊,大小の角質囊腫から構成され,各所に脂腺細胞が混じていた.これらの所見から脂腺分化を伴った皮膚混合腫瘍と診断した.アポクリン型の皮膚混合腫瘍はアポクリン汗腺,毛包脂腺ユニットを原基とすると考えられる.脂腺分化を伴うことがあるが,その出現頻度は低いことが文献的および当科経験例の集計でも判明した.皮膚混合腫瘍における脂腺分化は低頻度であるものの,病理診断の助けになるものと考えられた.
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