Japanese
English
症例
炎症性粉瘤として加療されていた結核性皮下膿瘍の1例
Tuberculous subcutaneous abscess that had been misdiagnosed and treated as inflammatory atheroma
三輪 祐
1
,
猿田 祐輔
1
,
末木 博彦
1
Tasuku MIWA
1
,
Yusuke SARUTA
1
,
Hirohiko SUEKI
1
1昭和大学医学部,皮膚科学講座(主任:猪又直子教授)
キーワード:
結核
,
皮下膿瘍
Keyword:
結核
,
皮下膿瘍
pp.2075-2078
発行日 2023年12月1日
Published Date 2023/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004324
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84歳,女性。21歳時に肺結核の既往があった。3年前より左胸壁に皮下結節を自覚した。2カ月前から徐々に増大し,近医で炎症性粉瘤として抗菌薬を投与されたが改善しなかった。初診時,左胸壁に発赤,熱感,圧痛を伴う6×4cm大の皮内~皮下結節を認めた。クォンティフェロン陽性。胸腹部造影CTで右側胸膜肥厚と石灰化,左肺下葉に石灰化結節がみられた。左肋骨下に膿瘍を,被膜下に石灰化を認めた。抗酸菌培養でMycobacterium tuberculosisが同定され,結核性皮下膿瘍と診断した。二次感染を伴うと発赤,熱感,疼痛など冷膿瘍とは異なる臨床像を呈することがあり注意を要する。高齢者に抗菌薬治療効果の乏しい皮下膿瘍を診た場合は,結核性も念頭に置き精査を行う必要があると考えられた。
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