Japanese
English
特集 真菌症
手背に生じたExophiala jeanselmeiによる皮下膿瘍の高齢男性例
An elder male with abscesses on the dorsum of the hand infected by Exophiala jeanselmei
前田 学
1
,
坂本 仁
2
,
阿南 隆
3
,
安澤 数史
4
,
望月 隆
4
Manabu MAEDA
1
,
Satoshi SAKAMOTO
2
,
Takashi ANAN
3
,
Kazushi ANZAWA
4
,
Takashi MOCHIZUKI
4
1八幡病院,皮膚科,郡上市
2同,内科
3札幌皮膚病理診断科
4金沢医科大学,皮膚科学
キーワード:
皮下膿瘍
,
手背
,
高齢男性
,
イトラコナゾール
Keyword:
皮下膿瘍
,
手背
,
高齢男性
,
イトラコナゾール
pp.441-444
発行日 2024年4月1日
Published Date 2024/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004503
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90歳,男性。10カ月来の左手背皮下膿瘍で受診した。自己免疫性溶血性貧血のため1年前よりプレドニゾロン20mg/日を内服中。左手背に多数の皮下膿瘍を認めたため深在性真菌症を疑い,皮膚生検およびサブロー寒天培地で組織培養した。病理組織像で真皮から皮下に多数の好中球が集簇した領域を取り囲んで異物型多核巨細胞を含む多数の組織球が浸潤して肉芽腫を形成し,線維化もみられた。病変内に淡褐色調の胞子・菌糸様の真菌要素を認め,internal transcribed spacerでExophiala jeanselmeiと同定した。本菌による黒色菌糸症と診断した。イトラコナゾール100mg/日を1カ月投与し治癒した。その後,数カ月を経過するも再燃・再発はない。早期の診断確定が的確な治療に直結することを痛感した。
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