Japanese
English
症例報告
MRSAによる背部広範囲の皮下膿瘍の1例
A case of pervasive abscess of MRSA on the back
田村 梨沙
1
,
齋藤 京
1
,
北村 類
2
Risa TAMURA
1
,
Hitoshi SAITO
1
,
Rui KITAMAURA
2
1さいたま市立病院皮膚科
2さいたま市立病院整形外科
1Division of Dermatology,Saitama Municipal Hospital,Saitama,Japan
2Division of Orthopedics,Saitama Municipal Hospital,Saitama,Japan
キーワード:
MRSA
,
市中感染型
,
皮下膿瘍
,
糖尿病
Keyword:
MRSA
,
市中感染型
,
皮下膿瘍
,
糖尿病
pp.361-365
発行日 2011年4月1日
Published Date 2011/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102870
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要約 54歳,男性.1か月ほど前から背部皮膚が腫脹し,1週間ほど前から排膿して発熱を伴った.当院受診時,左肩甲骨を中心に背部広範囲を暗紫色局面が占めており,深部に波動を触れ,表面に鱗屑と小膿疱がみられた.CT検査で,背部皮下脂肪織内に広範囲に拡がる低吸収域領域を認めた.コントロール不良の糖尿病に伴った重度の皮下膿瘍を考え,強化インスリン療法による血糖コントロールと抗生剤の投与を行った.また,局所の皮膚切開を行ったが十分な排膿がなかったため,全身麻酔下で大きく皮膚切開しデブリードマンを施行した.術後は洗浄を中心とした処置を連日行い,最終的には治癒しえた.起因菌は多剤感受性のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(methicillin-resistant Staphylococcus aureus)だったが,これまで医療機関を受診することはなかった患者から入院48時間以内に検出されたことと合わせて,市中感染型と考えた.
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