Japanese
English
症例
臀部表皮囊腫を発生母地とする有棘細胞癌の1例
Squamous cell carcinoma arising from epidermal cyst of the buttock
神賀 満裕菜
1
,
井上 禎夫
1
,
篠﨑 杏樹
1
,
新安 祥也
1
,
本郷 孝幸
1
,
森 智史
1
,
日向野 ゆき
1
,
金井 美馬
1
,
鈴木 利宏
1
,
井川 健
1
Mayuna KAMIGA
1
,
Sadao INOUE
1
,
Anjyu SINOZAKI
1
,
Syouya NIIYASU
1
,
Takayuki HONGOU
1
,
Satoshi MORI
1
,
Yuki HIGANO
1
,
Miuma KANAI
1
,
Toshihiro SUZUKI
1
,
Ken IGAWA
1
1獨協医科大学,皮膚科学教室(主任:井川 健教授)
キーワード:
有棘細胞癌
,
表皮囊腫
,
臀部皮下腫瘤
,
外科的切除
,
悪性化
Keyword:
有棘細胞癌
,
表皮囊腫
,
臀部皮下腫瘤
,
外科的切除
,
悪性化
pp.1703-1706
発行日 2023年10月1日
Published Date 2023/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004209
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75歳,男性。発症時期不明の臀部皮下結節を自覚しており,切除希望で当科を受診した。初診時,右臀部に中央に黒色点を有する2×2cm大,下床との可動性の良好な弾性やや硬の皮下結節を触知した。表皮囊腫疑いで皮下腫瘍摘出術を施行し,病理組織学的所見より表皮囊腫を発生母地とする有棘細胞癌と診断した。追加治療として拡大切除術を施行し,分層植皮術で再建した。術後1年現在,再発や転移はない。表皮囊腫は高頻度に経験する良性腫瘍だがまれに悪性腫瘍の発生母地となる。われわれの渉猟し得た悪性化を認めた130例と認めなかった391例を比較した。臀部の症例は悪性化や転移の報告が多く,予後不良であった。まれに表皮囊腫も悪性化することを念頭に置き,積極的に病理組織学的検査を検討すべきである。
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