Japanese
English
症例報告
臀部の化膿性汗腺炎に併発した有棘細胞癌の2例
Two cases of squamous cell carcinoma arising from hidradenitis suppurativa on the buttocks
金井 美馬
1
,
林 周次郎
1
,
池上 徹栄
1
,
金子 ゆき
1
,
山内 瑛
1
,
塚田 鏡寿
1
,
鈴木 利宏
1
,
濱﨑 洋一郎
1
,
井川 健
1
Miuma KANAI
1
,
Shujiro HAYASHI
1
,
Tetsuharu IKEGAMI
1
,
Yuki KANEKO
1
,
Akira YAMAUCHI
1
,
Kyoju TSUKADA
1
,
Toshihiro SUZUKI
1
,
Yoichiro HAMASAKI
1
,
Ken IGAWA
1
1獨協医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Dokkyo Medical University Hospital, Tochigi, Japan
キーワード:
化膿性汗腺炎
,
臀部慢性膿皮症
,
有棘細胞癌
,
リンパ節生検
Keyword:
化膿性汗腺炎
,
臀部慢性膿皮症
,
有棘細胞癌
,
リンパ節生検
pp.727-732
発行日 2020年8月1日
Published Date 2020/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206145
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要約 症例1は40歳,男性で,罹病期間9年の臀部化膿性汗腺炎に,症例2は50歳,男性で4,5年前よりあった臀部化膿性汗腺炎に有棘細胞癌を続発した.両症例とも鼠径リンパ節腫大を認めたが,組織学的にはリンパ節転移はなかった.症例1は術後3年1か月,症例2は術後2年4か月の時点で,再発や転移の所見はない.臀部化膿性汗腺炎は慢性炎症性疾患の1つであるが,有棘細胞癌の発生母地にとなることが知られており,将来的な悪性腫瘍発生のリスクを念頭に置いて早期介入や慎重な経過観察が必要と考えられる.本邦における臀部化膿性汗腺炎に続発した有棘細胞癌を集計したところ,複数の症例でリンパ節の腫大がみられた一方で,組織学的にリンパ節を評価されていない症例も散見された.臀部化膿性汗腺炎に伴う反応性のリンパ節腫大と有棘細胞癌の転移を鑑別することがその後の転帰に左右する可能性があった.
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