Japanese
English
症例報告
表皮嚢腫より発生した有棘細胞癌の1例
A Case of Squamous Cell Carcinoma Developing in an Epidermal Cyst
福田 知雄
1,2
,
大畑 恵之
1
,
木花 光
1
Tomoo FUKUDA
1,2
,
Toshiyuki OHATA
1
,
Akira KONOHANA
1
1日本鋼管病院皮膚科
2慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
1Division of Dermatology, Nippon Kokan Hospital
キーワード:
表皮嚢腫
,
有棘細胞癌
,
粉瘤
,
悪性化
Keyword:
表皮嚢腫
,
有棘細胞癌
,
粉瘤
,
悪性化
pp.839-842
発行日 1990年7月1日
Published Date 1990/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900158
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
83歳,男の表皮嚢腫より発生した有棘細胞癌の1例を報告した.初診の約60年前より臀部に皮下結節があり,2年前より急速に増大し,4カ月前には出血,排膿を見たという.組織学的に有棘細胞癌と連続性に表皮嚢腫の存在が確認された.自験例を含む粉瘤の悪性化の本邦報告34例の集計では,悪性化例は中高年の男に多く,部位としては躯幹,特に臀部に好発する.皮膚腫瘤に気づいてから悪性化の診断を受けるまでの期間が長く,その間に感染,炎症等の反復の既往がある場合が多く,慢性的な刺激が悪性化の誘因ではないかと推察された.粉瘤においても,経過の長いもの,特に感染,炎症等を繰り返す場合,ある時期より急速に増大傾向を示した場合などは,積極的な治療が必要と思われた.
Copyright © 1990, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.