Japanese
English
特集 悪性上皮系腫瘍
頭蓋骨破壊をきたした基底細胞癌を生じた基底細胞母斑症候群の1例
Basal cell nevus syndrome resulting in basal cell carcinoma with skull destruction
小川 瞭太郎
1
,
小川 達也
1
,
石月 翔一郎
1
,
藤澤 康弘
1
,
乃村 俊史
1
Ryotaro OGAWA
1
,
Tatsuya OGAWA
1
,
Shoichiro ISHIZUKI
1
,
Yasuhiro FUJISAWA
1
,
Toshifumi NOMURA
1
1筑波大学医学医療系,皮膚科(主任:乃村俊史教授)
キーワード:
基底細胞癌
,
基底細胞母斑症候群
,
Gorlin症候群
Keyword:
基底細胞癌
,
基底細胞母斑症候群
,
Gorlin症候群
pp.333-335
発行日 2023年3月1日
Published Date 2023/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003813
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
73歳,女性。8年前から頭頂部に腫瘤が出現した。頭頂部の下床との可動性不良な,9.0×6.5cm大の一部潰瘍化した黒色調の扁平隆起性腫瘤があり,皮膚生検で基底細胞癌と診断した。CTで腫瘍直下の頭蓋骨に融解像を認めるもMRIでは硬膜に達しておらず,頭蓋骨の合併切除および遊離皮弁による再建術を施行した。自験例はその特徴的な顔貌,手掌の点状小陥凹,多発する基底細胞癌から基底細胞母斑症候群と診断した。本邦の基底細胞母斑症候群における基底細胞癌の発症は欧米諸国と比較して高齢になる傾向があり,進行した状態で発見されることもある。自験例も基底細胞母斑症候群を73歳まで指摘されておらず,診断の遅れによる腫瘍の増大を防ぐためにも,皮膚科医は本症候群に特徴的な顔貌や手掌の所見にも留意することが重要と考えた。
Copyright © 2023, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.