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特集 悪性上皮系腫瘍
臨床所見で基底細胞癌が示唆されなかった基底細胞癌を伴う脂腺母斑の1例
Nevus sebaceous with basal cell carcinoma without clinical findings suggesting basal cell carcinoma
山本 麻琴
1
,
佐伯 優佳
1
,
岡﨑 大二郎
1
,
中野 倫代
1
Makoto YAMAMOTO
1
,
Yuka SAEKI
1
,
Daijiro OKAZAKI
1
,
Michiyo NAKANO
1
1総合病院国保旭中央病院,皮膚科(主任:中野倫代部長)
キーワード:
脂腺母斑
,
基底細胞癌
Keyword:
脂腺母斑
,
基底細胞癌
pp.329-332
発行日 2023年3月1日
Published Date 2023/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003812
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71歳,女性。幼少期より左頭頂部に乳頭状局面を自覚していた。初診2カ月前より,同部位に腫脹と瘙痒感が出現したため当科を受診した。左頭頂部に15mm大の褐色乳頭状局面がみられ,部分生検を施行した。組織学的には表皮基底層から連続して基底細胞様細胞が腫瘍胞巣を形成しており,真皮網状層には萎縮状の脂腺と異所性アポクリン腺がみられた。基底細胞癌を伴う脂腺母斑と診断した。基底細胞癌を伴う脂腺母斑の症例の多くは,臨床,ダーモスコピーで基底細胞癌に特徴的な所見がみられるが,自験例ではみられなかった。臨床的に悪性腫瘍が示唆されない脂腺母斑であっても,年齢や経過によっては悪性化の可能性を考慮すべきであると考えた。
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