Japanese
English
症例報告
母斑性基底細胞癌症候群の1例
A case of nevoid basal cell carcinoma syndrome
崎山 とも
1
,
平井 郁子
1
,
笠井 弘子
1
,
木花 光
1
Tomo SAKIYAMA
1
,
Ikuko HIRAI
1
,
Hiroko KASAI
1
,
Akira KONOHANA
1
1済生会横浜市南部病院皮膚科
1Division of Dermatology, Saiseikai Yokohama City Nanbu Hospital, Yokohama, Japan
キーワード:
母斑性基底細胞癌症候群
,
基底細胞母斑症候群
,
顎骨囊胞
Keyword:
母斑性基底細胞癌症候群
,
基底細胞母斑症候群
,
顎骨囊胞
pp.891-894
発行日 2012年10月1日
Published Date 2012/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103436
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要約 39歳,男性.先天性水頭症の既往があった.2年前より左側頭部に黒色斑が出現した.増大し,出血も伴うようになったため受診した.初診時左側頭部に,径3cm,高さ1cmの表面の大部分はびらんし,辺縁は部分的に黒色調の広基有茎性腫瘤を認めた.病理組織像は基底細胞癌であった.他にも頭部,顔面に基底細胞癌が多発していた.掌蹠に小陥凹,顎骨囊腫,二分肋骨,大脳鎌の石灰化などを認めたため,母斑性基底細胞癌症候群(nevoid basal cell carcinoma syndrome:NBCCS)と診断した.家族に同症状はなかった.特にNBCCSで基底細胞癌が巨大化しやすいとはいわれていないが,自験例では発育が早いと推測された.自験例のように巨大化することを防ぐためには,早期の診断と治療が重要である.若年者のNBCCS患者の診断の契機となる受診理由は,多発性顎骨囊腫が多い.多発性顎骨囊腫を有する患者に基底細胞癌を認めた場合には,掌蹠小陥凹,奇形に留意する必要がある.
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