Japanese
English
症例
基底細胞母斑症候群の1例
-―8年間の経過観察中に新生した基底細胞癌の特徴を含め―
Basal Cell Nevus Syndrome
川村 知佳
1
,
猪又 直子
1
,
向所 純子
1
,
武山 紘子
1
,
大川 智子
1
,
和田 秀文
1
,
筑丸 寛
2
,
相原 道子
1
Chika KAWAMURA
1
,
Naoko INOMATA
1
,
Junko MUKAIJO
1
,
Hiroko TAKEYAMA
1
,
Tomoko OOKAWA
1
,
Hidefumi WADA
1
,
Hiroshi CHIKUMARU
2
,
Michiko AIHARA
1
1横浜市立大学医学部,皮膚科(主任:相原道子教授)
2同,歯科口腔外科
キーワード:
基底細胞母斑症候群
,
Gorlin症候群
,
基底細胞癌
,
手掌の点状陥凹
Keyword:
基底細胞母斑症候群
,
Gorlin症候群
,
基底細胞癌
,
手掌の点状陥凹
pp.1637-1642
発行日 2018年9月1日
Published Date 2018/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000992
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32歳,女性。20歳頃に両手掌に点状陥凹が出現した。32歳時,下顎の疼痛のため当院歯科口腔外科を受診し,頭部CTで多発性顎骨囊胞を認めたため,基底細胞母斑症候群(Gorlin症候群,BCNS)を疑われ当科に併診となった。前頭部の9mm大の黒色蝋様光沢性小結節,両眼開離,広い鼻梁,下顎突出など特徴的な顔貌を呈し,両手掌に点状陥凹を認めた。小結節の病理組織学的診断は基底細胞癌であり,以上よりBCNSと診断した。以後8年間の経過中に頭部に5カ所,顔面に2カ所,腹部に1カ所の計8カ所の黒色結節が新生し,組織学的にすべて基底細胞癌と診断した。BCNSでは非露光部を含め全身各所に基底細胞癌の新生を繰り返すため,注意深く経過を追う必要がある。
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