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特集 悪性上皮系腫瘍
足に生じた無色素性基底細胞癌の1例
Non-pigmented basal cell carcinoma on the foot
河野 奈央
1
,
白鳥 隆宏
1
Nao KAWANO
1
,
Takahiro SHIRATORI
1
1市立岸和田市民病院,皮膚科(主任:白鳥隆宏部長)
キーワード:
基底細胞癌
,
足
,
無色素性
Keyword:
基底細胞癌
,
足
,
無色素性
pp.325-328
発行日 2023年3月1日
Published Date 2023/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003811
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85歳,女性。10年前より右踵部に傷が出現した。その後,潰瘍となり徐々に拡大してきたため,精査加療目的に当科を紹介受診した。初診時,右踵部の足蹠と生毛部の境界部に30×21mm大の周囲に浸軟を伴った赤色潰瘍を認めた。ダーモスコピーにて,arborizing vesselsや色素性病変は認めなかった。病理組織検査にて,一部表皮と連続し,真皮内に基底細胞様細胞で形成される腫瘍胞巣,その辺縁に柵状配列を認め,無色素性基底細胞癌と診断した。下肢発症の無色素性基底細胞癌は3%とまれである。発症部位が足蹠であり,慢性的刺激や外傷が発症要因と考えられた。無色素性基底細胞癌のダーモスコピーではarborizing vesselsが診断の一助となるが,その所見を欠いており臨床診断に苦渋した。
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