Japanese
English
症例
右耳垂部脂腺母斑から発生した基底細胞癌の1例
Basal cell carcinoma originating from nevus sebaceous of the right earlobe
西村 香菜
1
,
中村 元樹
1
,
安井 由希子
1
,
宮崎 愛子
1
,
小田 隆夫
1
,
加藤 裕史
1
,
森田 明理
1
Kana NISHIMURA
1
,
Motoki NAKAMURA
1
,
Yukiko YASUI
1
,
Aiko MIYAZAKI
1
,
Takao ODA
1
,
Hiroshi KATO
1
,
Akimichi MORITA
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科,加齢・環境皮膚科学(主任:森田明理教授)
キーワード:
基底細胞癌
,
耳垂
,
脂腺母斑
Keyword:
基底細胞癌
,
耳垂
,
脂腺母斑
pp.105-109
発行日 2023年1月1日
Published Date 2023/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003729
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29歳,男性。幼少期より右耳垂部に黄色疣状局面を認め,疣贅の診断で液体窒素療法が施行されたが病変は残存し,その後は放置していた。半年前より同部位に黒色結節が出現し当院を紹介受診した。初診時,右耳垂部に5×6mmの黄色疣状局面と中央に径2mm大の黒色結節を認めた。病理組織像では,基底細胞様の異型細胞が表皮と一部で連続する胞巣の形成と柵状配列や裂隙形成を認めた。周囲には毛包と一致しない脂腺の増生を認め,脂腺母斑を母地とする基底細胞癌と診断した。腫瘍辺縁より3mmマージンで全摘し,その後の再発はない。当院での過去10年間の基底細胞癌480例のうち,耳部に発生したものはわずか10例(2.1%)のみであり,自験例のような若年発症の耳部基底細胞癌では,その発生母地を考える必要がある。
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