Japanese
English
症例報告
足に生じた低色素性基底細胞癌の1例
A case of hypopigmented basal cell carcinoma on the foot
後藤 晴香
1
,
嶋津 苗胤
1
,
松本 賢太郎
1
Haruka GOTO
1
,
Kiyo SHIMAZU
1
,
Kentaro MATSUMOTO
1
1静岡済生会総合病院皮膚科
1Division of Dermatology, Shizuoka Saiseikai General Hospital, Shizuoka, Japan
キーワード:
基底細胞癌
,
足
,
低色素性
Keyword:
基底細胞癌
,
足
,
低色素性
pp.168-172
発行日 2019年2月1日
Published Date 2019/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205643
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要約 76歳,男性.初診10年前より左足縁の皮疹を自覚していた.初診時,径25mmの鱗屑を伴う類円形紅斑を左足外側に認めた.ダーモスコピーではわずかに顆粒状の黒褐色領域を認める以外は,基底細胞癌を疑う所見は得られず,当初はBowen病を疑い生検した.病理組織学的所見では,表皮と連続して下方に突出する基底細胞様細胞からなる腫瘍胞巣,その辺縁に柵状配列を認め,表在型基底細胞癌と診断した.足部発症の無色素性あるいは低色素性基底細胞癌は稀であり,本邦での報告は自験例が2例目である.Fontana-Masson染色では,腫瘍内にメラニン顆粒を認めるものの,対照に用いた通常の色素性基底細胞癌と比較すると少量であった.低色素を呈した機序として,メラノサイトの絶対数低下や,メラニン産生の抑制が推測された.
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