特異な臨床を呈したAneurysmal Fibrous Histiocytomaの1例

Aneurysmal fibrous histiocytoma showing peculiar clinical appearance

28歳，男性。初診7カ月前より右上腕部の腫瘤を自覚し，初診3カ月前より急速に増大した。右上腕に暗紫色で径7cmの有茎性の腫瘤があり，基部に皮下硬結を触知した。生検で真皮中層から下層に花むしろ状に増殖する紡錘形の腫瘍細胞を認めたが，CD34陰性で皮膚線維腫と診断した。腫瘍からの出血が多く手術前にHb 7.7mg/dlの貧血を呈していた。切除標本では腫瘍の外側に多数の管腔構造と出血を認めたことから皮膚線維腫の亜型であるaneurysmal fibrous histiocytomaと診断した。この亜型は比較的若年の四肢に発生しやすいため，若年者の四肢に暗赤色調の腫瘍を診たときは本疾患を鑑別にあげる必要がある。