Japanese
English
症例
トシリズマブ投与中の高齢関節リウマチ患者に生じた大胸筋膿瘍の1例
Pectoralis major muscle abscess in an elderly woman with rheumatoid arthritis on tocilizumab
髙杉 亜里紗
1
,
安藤 知史
2
,
堀尾 裕子
3
,
和田 直子
1
Arisa TAKASUGI
1
,
Tomofumi ANDO
2
,
Hiroko HORIO
3
,
Naoko WADA
1
1永寿総合病院,皮膚科(主任:和田直子部長)
2同,外科
3同,麻酔科
キーワード:
膿瘍
,
軟部組織感染
,
トシリズマブ
,
生物学的製剤
,
関節リウマチ
Keyword:
膿瘍
,
軟部組織感染
,
トシリズマブ
,
生物学的製剤
,
関節リウマチ
pp.2142-2146
発行日 2022年12月1日
Published Date 2022/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003680
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86歳,女性。関節リウマチに対しトシリズマブ投与中だった。初診時,右前胸部に圧痛を伴う手拳大の皮下腫瘤を触れ,板状硬,下床との可動性はなく,被覆皮膚は正常で発赤,熱感を認めず,全身性発熱もなかった。MRIで右大胸筋内に8.5cm大の腫瘤を認め,臨床診断として悪性線維性組織球症,結核性膿瘍を考えた。生検時に排膿があり黄色ブドウ球菌を検出し,組織学的にも筋肉内膿瘍と診断した。治療は抗菌薬投与に加え,外科的切除を硬膜外麻酔を併用した局所麻酔下に行い良好な経過を得た。トシリズマブ投与中で,ことに高齢者では重篤な感染症を生じていても臨床的に炎症所見に乏しい場合があり,注意して診療する必要がある。
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