発行日 2011年10月1日
Published Date 2011/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012048008
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関節リウマチ症例に対する治療において、生物学的製剤初回例のトシリズマブ(TCZ)の治療効果、継続率、有害事象を検討した。対象は投与24週後まで経過観察が可能であった男性8例、女性25例で、平均年齢は62.2歳、発症経過年数は平均6年6ヵ月であった。Steinbrockerのstage分類ではstageI:1例、stageII:12例、stageIII:20例で、Class分類ではstageI:1例、stageII:20例、stageIII:12例であった。31例でステロイド、20例でメトトレキサートを併用していた。治療効果判定は24週間後のdisease activity score of 28 joint(DAS28)-ESRで算出し、EULAR基準で評価した。DAS28平均値は、TCZ投与後経時的に改善し、24週後では有意な改善を認めた。ESRだけでなく、病状評価項目である患者疾患活動性全般評価、圧痛関節数、腫脹関節数も経時的に有意に減少した。24週後の治療効果はgood responseが60.6%、goodおよびmoderate responseが93.9%と高い治療効果を認めた。有害事象は17例24件認めた。治療期間中、1例が感冒で、1例が無効で投与中止となり、24週間継続可能であったのは93.9%であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2011