特集 病態から考える薬物療法
第Ⅵ章 水疱症
3 線状IgA水疱性皮膚症
石井 文人
1
Norito ISHII
1
1久留米大学医学部,皮膚科学
キーワード:
線状IgA水疱性皮膚症
,
好中球
,
薬剤性
,
潰瘍性大腸炎
,
ジアフェニルスルフォン
Keyword:
線状IgA水疱性皮膚症
,
好中球
,
薬剤性
,
潰瘍性大腸炎
,
ジアフェニルスルフォン
pp.745-748
発行日 2022年4月20日
Published Date 2022/4/20
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003259
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線状IgA水疱性皮膚症(linear IgA bullous dermatosis,以下LABD)はChorzelskiらにより提唱された表皮基底膜部に対するIgA自己抗体によって生じる自己免疫性水疱症である1)。40歳をピークとする成人型と10歳未満の小児型がある。欧米の統計では発症頻度は100万人あたり0.5~2.3とされる2)3)。性差は小児では男児にやや多い傾向があり,成人では男女ほぼ同等である。臨床的に酷似することがある(Dühring)疱疹状皮膚炎とは異なる独立性疾患として位置づけられている1)。臨床症状は小型の緊満性水疱や紅斑上に環状配列する小水疱を特徴とする(図1)。成人型より小児型に口腔粘膜症状が出現しやすい傾向がある4)。
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