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特集 水疱症・膿疱症
バンコマイシンによる線状IgA水疱性皮膚症の1例
Vancomycin-Induced Linear IgA Bullous Dermatosis
山村 里恵
1
,
雲財 崇
1
,
敷地 孝法
1
Rie YAMAMURA
1
,
Takashi UNZAI
1
,
Takanori SHIKIJI
1
1徳島県立中央病院,皮膚科(主任:敷地孝法部長)
キーワード:
線状IgA水疱性皮膚症
,
バンコマイシン
,
薬剤誘発性線状IgA水疱性皮膚症
Keyword:
線状IgA水疱性皮膚症
,
バンコマイシン
,
薬剤誘発性線状IgA水疱性皮膚症
pp.153-156
発行日 2020年2月1日
Published Date 2020/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000001792
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85歳,男性。ステントグラフト内挿術後発熱が持続し,バンコマイシン(VCM)を投与し13日目に手足,口唇に水疱が生じた。病理組織像は好中球浸潤を伴った表皮下水疱で,蛍光抗体直接法では基底膜にIgA,C3が線状に沈着していた。VCMによる線状IgA水疱性皮膚症と診断し,VCMを中止した。プレドニゾロン(PSL)30mg内服で治療を開始し,途中ジアフェニルスルホン内服を併用した。PSLを漸減して治療を2週間で中止したが,治療開始から約4週間で治癒した。VCMは頻用されている薬剤であり,いつ本症に遭遇するかわからない。本症の疾患概念を知っておき,VCM投与中に多発する水疱が生じた場合,本症を念頭に置いて的確に対応する必要があると考える。
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