Japanese
English
症例報告
仙骨部褥瘡から発症した壊死性筋膜炎の1例
A case of necrotizing fasciitis developed from sacral decubitus
西村(平井) 千尋
1
,
五味 博子
1
,
石井 健
1
,
早川 和人
1
,
藤井 貴子
2
,
福積 聡
2
,
岡野 美々
3
,
幸田 圭史
3
Chihiro NISHIMURA(HIRAI)
1
,
Hiroko GOMI
1
,
Ken ISHII
1
,
Kazuhito HAYAKAWA
1
,
Takako FUJII
2
,
Satoshi FUKUZUMI
2
,
Mimi OKANO
3
,
Keiji KODA
3
1帝京大学ちば総合医療センター皮膚科
2帝京大学ちば総合医療センター形成外科
3帝京大学ちば総合医療センター外科
1Department of Dermatology, Teikyo University Chiba Medical Center, Chiba, Japan
2Department of Plastic Surgery, Teikyo University Chiba Medical Center, Chiba, Japan
3Department of Surgery, Teikyo University Chiba Medical Center, Chiba, Japan
キーワード:
壊死性筋膜炎
,
非クロストリジウム性ガス壊疽
,
褥瘡
,
糖尿病
Keyword:
壊死性筋膜炎
,
非クロストリジウム性ガス壊疽
,
褥瘡
,
糖尿病
pp.591-595
発行日 2013年7月1日
Published Date 2013/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103715
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要約 81歳,女性.無治療の糖尿病あり.1年前に仙骨部の褥瘡が生じたが放置していた.初診時,仙骨部に4×3cm大の黒色壊死を伴う潰瘍を認めた.血液検査上WBC 28,500/μl,CRP 24.1mg/dl,CT上仙骨部から背部まで筋膜に沿ったガス像,脂肪隔壁の肥厚を認めた.患部からStreptococcus agalactiaeや嫌気性菌,腸内細菌が検出された.デブリードマンを行い,抗生剤投与と計4度の分層植皮術を施行し上皮化を図った.糖尿病を合併する壊死性筋膜炎は重症化する場合が多く,早期の診断と治療が必要である.自験例では短時間で広範囲の撮影が可能でガス像の有無も確認できるCT検査が有用であった.発症機序として糖尿病による局所循環不全や局所酸素分圧の低下により嫌気性菌感染を伴ったと考えた.また,腸内細菌が糖を分解することでガス産生を伴う壊死性筋膜炎を起こした可能性を考えた.
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