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特集 皮膚科領域における細菌・抗酸菌感染症の最新トピックス
症例報告
サリルマブ投与後にSerratia marcescensによる壊死性筋膜炎を発症した1例
Necrotizing fasciitis caused by Serratia marcescens occurring after the administration of sarilumab
向井 みれ以
1
,
楠谷 尚
1
,
前川 直輝
1
,
今西 明子
1
,
後藤 仁志
2
,
深井 和吉
1
Mirei MUKAI
1
,
Nao KUSUTANI
1
,
Naoki MAEKAWA
1
,
Akiko IMANISHI
1
,
Hitoshi GOTO
2
,
Kazuyoshi FUKAI
1
1大阪市立総合医療センター,皮膚科(主任:深井和吉部長)
2同,総合診療科
キーワード:
サリルマブ
,
Serratia marcescens
,
壊死性筋膜炎
,
IL-6阻害薬
,
関節リウマチ
Keyword:
サリルマブ
,
Serratia marcescens
,
壊死性筋膜炎
,
IL-6阻害薬
,
関節リウマチ
pp.1937-1940
発行日 2022年11月1日
Published Date 2022/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003623
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84歳,女性。関節リウマチに対してIL-6阻害薬であるサリルマブを投与した翌日から左下腿に疼痛,発赤が出現した。蜂窩織炎として加療されたが,疼痛が増悪し,当科を紹介受診した。左下腿に壊死組織を伴う潰瘍形成と,周囲に紫斑がみられた。血液検査では炎症所見は軽度であった。緊急デブリードマンを行い,組織培養からSerratia marcescensが検出された。IL-6はCRP合成の誘導,発熱や倦怠感などの全身症状を引き起こす。サリルマブ投与中は疼痛,発赤などの局所所見や血液検査における好中球数の変動が参考になる。サリルマブ投与中は炎症反応や臨床所見が軽微となる恐れがあるため注意を要する。
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