Japanese
English
症例報告
壊死性筋膜炎の1例
A Case of Necrotizing Fasciitis
伏田 宏代
1
,
中川 浩一
1
,
新藤 季佐
1
,
福田 道夫
1
,
古川 雅祥
1
,
濱田 稔夫
1
Hiroyo FUSHIDA
1
,
Koichi NAKAGAWA
1
,
Kisa SHINDOH
1
,
Michio FUKUDA
1
,
Masayoshi FURUKAWA
1
,
Toshio HAMADA
1
1大阪市立大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Osaka City University Medical School
キーワード:
壊死性筋膜炎
,
糖尿病
,
デブリードマン
Keyword:
壊死性筋膜炎
,
糖尿病
,
デブリードマン
pp.769-773
発行日 1993年8月1日
Published Date 1993/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900977
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糖尿病患者に発生した壊死性筋膜炎の1例を報告する.62歳,女性.51歳時より糖尿病を指摘され,下腿の知覚障害があった.初診の3日前,右足背の紅斑に気づき,発赤腫脹が著明となったため当科を受診した.その後,皮疹は急速に拡大し,下腿にまで発赤腫脹が広がり,淡黄色の壊死組織も認められるようになった.入院後,広範囲なデブリードマン(debridement)を施行したところ,右足背から下腿にかけての皮下組織の壊死がみられ,壊死性筋膜炎の像を呈していた.また,病変部からは多種類の菌が検出された.周囲の皮膚の病理組織像では,細小血管壁の軽度の肥厚を認めた.以後,インスリン療法,抗生剤投与,外用療法および頻回のデブリードマン,植皮術により皮疹はほぼ上皮化した.本症の概念と病態,治療について若干の考察を行った.
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