Japanese
English
症例報告
低ガンマグロブリン血症を合併した特発性後天性全身性無汗症の1例
A case of acquired idiopathic generalized anhidrosis associated with hypogammaglobulinemia
小倉 康晶
1
,
花井 志帆
1
,
影山 玲子
1
,
青島 正浩
2
,
大塚 久美子
3
,
八木 宏明
3
,
戸倉 新樹
1
Yasuaki OGURA
1
,
Shiho HANAI
1
,
Reiko KAGEYAMA
1
,
Masahiro AOSHIMA
2
,
Kumiko OTSUKA
3
,
Hiroaki YAGI
3
,
Yoshiki TOKURA
1
1浜松医科大学皮膚科学講座
2青島皮膚科医院
3静岡県立総合病院皮膚科
1Department of Dermatology, Hamamatsu University School of Medicine, Hamamatsu, Japan
2Aoshima Dermatology Clinic, Iwata, Japan
3Division of Dermatology, Shizuoka General Hospital, Shizuoka, Japan
キーワード:
特発性後天性全身性無汗症
,
分類不能型免疫不全症
,
免疫グロブリン
,
ステロイドパルス療法
Keyword:
特発性後天性全身性無汗症
,
分類不能型免疫不全症
,
免疫グロブリン
,
ステロイドパルス療法
pp.1015-1020
発行日 2020年11月1日
Published Date 2020/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206210
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要約 41歳,男性.初診10年前よりほぼ全身の減汗を自覚し,また全身の疼痛とそれに伴う点状紅斑も出現した.症状が徐々に増悪したため,前医を受診した.症状より特発性後天性全身性無汗症(acquired idiopathic generalized anhidrosis:AIGA)を疑った.血液検査にて低ガンマグロブリン血症を認めた.低ガンマグロブリン血症に関しては,分類不能型免疫不全症と診断された.温熱発汗テスト,アセチルコリン皮内テストにより,AIGAと診断し,治療として,免疫グロブリン製剤とステロイドパルス療法を行った.2回の治療では十分な効果は認めなかったが,経過観察とした.再度症状の増悪がみられたことから同治療を再開し,現在,初診時に比べて軽度の発汗増加を認めている.自験例のAIGAは自己免疫性疾患を伴いやすい分類不能型免疫不全症を合併しており,自己免疫性疾患としてのAIGAを強調した.こうした観点からAIGAの病態にアプローチする必要性を実感した.
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