Japanese
English
症例
ステロイドパルス療法が奏効した特発性後天性全身性無汗症の1例
Acquired Idiopathic Generalized Anhidrosis Successfully Treated with Methylprednisolone Pulse Therapy
神﨑 美玲
1
,
禾 紀子
2
,
青島 正浩
3
,
戸倉 新樹
3
Mirei KANZAKI
1
,
Noriko NOGI
2
,
Masahiro AOSHIMA
3
,
Yoshiki TOKURA
3
1水戸済生会総合病院,皮膚科,主任部長
2ひたちの中央クリニック,皮膚科,常陸太田市
3浜松医科大学,皮膚科学講座(主任:戸倉新樹教授)
キーワード:
特発性後天性全身性無汗症
,
特発性純粋発汗機能不全
,
温熱発汗試験
,
ムスカリン性アセチルコリン受容体
,
ステロイドパルス療法
Keyword:
特発性後天性全身性無汗症
,
特発性純粋発汗機能不全
,
温熱発汗試験
,
ムスカリン性アセチルコリン受容体
,
ステロイドパルス療法
pp.1800-1804
発行日 2018年10月1日
Published Date 2018/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000001048
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38歳,男性,ゴルフ指導員。初診前年の秋より,食事や運動時に,背部にチクチクとした痛みがあった。初夏には発汗低下,うつ熱のため屋外での仕事に支障をきたし,8月には熱中症に至った。コリン性蕁麻疹の合併はなく,温熱発汗試験で広範囲な無汗,発汗低下がみられた。薬物性発汗試験は陰性であった。病理組織学的に汗腺組織の形態学的異常はなく,炎症細胞はわずかであった。無汗部の汗腺上皮では,アセチルコリン受容体の発現が低下していた。無汗をきたす基礎疾患や自律神経異常はなく,特発性後天性全身性無汗症と診断した。ステロイドパルス療法が奏効し,3クールで発汗が回復した。本症はまれな疾患であるが,早期に診断・治療すべきである。
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