Japanese
English
症例
手指に生じた黄色苔癬の1例
Lichen purpuricus on the finger
吉田 雅絵
1
,
堺 則康
1
,
瀬下 治孝
1
,
原田 和俊
1
,
中崎 恵美
2
Masae YOSHIDA
1
,
Noriyasu SAKAI
1
,
Harutaka SESHIMO
1
,
Kazutoshi HARADA
1
,
Emi NAKAZAKI
2
1東京医科大学,皮膚科学分野(主任:原田和俊教授)
2emiスキンクリニック松濤,東京都渋谷区
キーワード:
黄色苔癬
,
手指
,
慢性色素性紫斑
,
T細胞リンパ腫
,
ダーモスコピー
Keyword:
黄色苔癬
,
手指
,
慢性色素性紫斑
,
T細胞リンパ腫
,
ダーモスコピー
pp.1255-1258
発行日 2022年6月1日
Published Date 2022/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003388
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53歳,男性。約3年前に海水浴後より左手指に軽度扁平隆起する橙黄色~褐色斑が出現した。自覚症状はなかった。2週間程度,近医にてステロイド薬外用を行ったが改善なく,当科を紹介受診した。皮膚生検の結果,真皮浅層に帯状のリンパ球を主体とした炎症細胞浸潤があり,黄色苔癬と診断した。Very strongクラスのステロイド外用治療を4カ月継続しているが,現時点で改善はみられない。黄色苔癬は,若年男性の下肢に片側性に生じることが多いとされている。手指に生じた症例は6例のみで,比較的まれである。報告例全体と比較して発症年齢に差はないが,やや男性に多かった。黄色苔癬では病理組織像で異型リンパ球を認めることがあり,T細胞リンパ腫との鑑別に留意が必要である。
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