Japanese
English
症例報告
手指に生じたlichen aureusの1例
A case of lichen aureus of the fingers
江野澤 佳代
1
,
石河 晃
2
Kayo ENOSAWA
1
,
Akira ISHIKO
2
1東京高輪病院皮膚科
2東邦大学医学部皮膚科学講座(大森)
1Division of Dermatology, Tokyo Takanawa Hospital, Tokyo, Japan
2Department of Dermatology, School of Medicine, Toho University, Tokyo, Japan
キーワード:
lichen aureus
,
手指
,
慢性色素性紫斑
Keyword:
lichen aureus
,
手指
,
慢性色素性紫斑
pp.17-20
発行日 2016年1月1日
Published Date 2016/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204633
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要約 30歳,男性.初診の3年前より,手指に自覚症状のない褐色斑が出現した.その後,皮疹に変化はみられず,放置していた.初診時,右第3・4指に,境界明瞭,辺縁不整な赤褐色斑と褐色斑が散在していた.病理組織学的に,表皮下に,組織球を混ずるリンパ球の帯状浸潤と,表皮内へのリンパ球の遊走,赤血球の血管外漏出とヘモジデリンの沈着を認め,臨床所見と合わせて,lichen aureusと診断した.自験例を含め,2014年までに,lichen aureusあるいは,lichen purpuricusとして報告された,本邦報告例78例のうち,手指に限局して生じた症例は3例で,きわめて稀であると考えられた.さらに,男女比,発症年齢,発症部位,発症誘因,治療法に関しまとめ,自験例と比較検討した.自験例は,発症部位以外は,本症に典型的であった.
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