角化性紅斑を契機に肺癌が判明したBazex症候群の1例

Acrokeratosis paraneoplastica（Bazex syndrome）as the presenting sign of lung squamous cell carcinoma

71歳，男性。69歳時から全身に落屑性紅斑が出現し，前医を受診した。ステロイド外用に抵抗性であり，皮疹が徐々に増悪，拡大したため当科を紹介受診した。初診時，手掌と足底に角化性紅斑，耳介に落屑を伴う紅斑がみられ，胸背部や臀部，大腿部には角化性紅褐色斑がみられた。Bazex症候群を疑い悪性腫瘍検索を行ったところ，右肺門部の肺癌が判明した。肺癌に対する放射線治療後に皮疹は改善を示し，Bazex症候群と診断した。掌蹠の角化性紅斑を認めた際にはBazex症候群の可能性を考慮する必要がある。