Japanese
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臨床統計
慶應義塾大学医学部皮膚科学教室で経験した色素性痒疹60例の臨床的検討
A clinical study of 60 cases of prurigo pigmentosa experienced at the Department of Dermatology,Keio University School of Medicine
齋藤 昌孝
1
,
石河 晃
1
,
寺木 祐一
2
,
西川 武二
1
Masataka SAITO
1
,
Akira ISHIKO
1
,
Yuichi TERAKI
2
,
Takeji NISHIKAWA
1
1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
2杏林大学医学部皮膚科学教室
1Depertment of Dermatology,Keio University School of Medicine
2Depertment of Dermatology,Kyorin University School of Medicine
キーワード:
色素性痒疹
,
ケトン体
,
好中球
,
活性酸素
,
ミノサイクリン
,
DDS
Keyword:
色素性痒疹
,
ケトン体
,
好中球
,
活性酸素
,
ミノサイクリン
,
DDS
pp.483-487
発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100712
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色素性痒疹は長島らにより報告されてから約30年が経過し,これまでに300例を超える症例が報告されているが,原因はいまだ不明である.当教室で1972~2003年8月までに経験した色素性痒疹計60例を詳細に分析し,これまでに報告されている知見との比較検討を行った.その結果,当教室例は女性患者が圧倒的に多く(男女比 1:7),3月に発症した例が多かった.ダイエットや体重減少を伴っていたのは5例,Ⅰ型糖尿病の合併が1例みられた.罹患部位は背部,胸部,項部の順に多かった.尿検査が行われた27症例のなかで尿中ケトン体陽性率は30%と高率であった.病理組織学的に苔癬型組織反応を呈する症例が53%を占めており,好中球主体の初期反応を呈する症例は38%であった.治療ではミノサイクリン(Mino)よりもDDSのほうが即効性を有する印象を受け,投与後の再発率ではMinoは18%,DDSは67%とDDSのほうが高かった.
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