Japanese
English
症例報告
血中ケトン体高値を示した色素性痒疹の3例
Three cases of prurigo pigmentosa with high levels of circulating ketones
松下 佳代
1
,
戸倉 新樹
1
,
八木 宏明
1
,
横手 隆一
1
,
瀧川 雅浩
1
Kayo MATSUSHITA
1
,
Yoshiki TOKURA
1
,
Hiroaki YAGI
1
,
Ryuichi YOKOTE
1
,
Masahiro TAKIGAWA
1
1浜松医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Hamamatsu University, School of Medicine
キーワード:
色素性痒疹
,
半飢餓状態
,
ケトン体
,
インターフェロン—γ
Keyword:
色素性痒疹
,
半飢餓状態
,
ケトン体
,
インターフェロン—γ
pp.333-336
発行日 1997年4月1日
Published Date 1997/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902144
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血中ケトン体が高値を示した色素性痒疹の3例を報告した.症例1は,肥満症治療のための超低カロリー食による半飢餓療法を契機として発症し,血中および尿中ケトン体の変動が病勢と一致した.病変部皮膚ではケラチノサイトがHLA—DRとICAM−1を発現しており,また患者血清がin vitroでリンパ球のインターフェロン—γ産生を促進させたことから,病態におけるインターフェロン—γの関与が示唆された.症例2,3では食欲低下や不規則な食生活が発症に関わっており,やはり血中ケトン体は高値であった.近年ダイエットや糖尿病などいわゆる飢餓的状態に伴う症例が報告され,代謝と免疫を関連づける因子の存在が想定されている.ここに報告した例では,ケトン体とサイトカインが発症に何らかの役割を演じていると考えられた.
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