Japanese
English
症例報告
アダリムマブと植皮術が有効であった壊疽性膿皮症の1例
A case of pyoderma gangrenosum successfully treated with adalimumab and skin grafting
森 愛菜
1
,
西川 陽太郎
1
,
中村 俊央
1
,
天野 正宏
1
Aina MORI
1
,
Youtarou NISHIKAWA
1
,
Toshihisa NAKAMURA
1
,
Masahiro AMANO
1
1宮崎大学医学部感覚運動医学講座皮膚科学分野
1Department of Dermatology, Faculty of Medicine, University of Miyazaki, Miyazaki, Japan
キーワード:
壊疽性膿皮症
,
アダリムマブ
,
肺化膿症
,
植皮術
Keyword:
壊疽性膿皮症
,
アダリムマブ
,
肺化膿症
,
植皮術
pp.457-462
発行日 2023年5月1日
Published Date 2023/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207020
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要約 65歳,男性.1年程前から背部に潰瘍を認めるようになり,近医で加療されるも拡大し難治であった.初診時,背部に8.5 cm大と5.0 cm大の辺縁がやや隆起し,小膿疱を伴った潰瘍を2か所認め,病理組織学的には好中球を主体とした炎症細胞浸潤を認めた.壊疽性膿皮症と診断し,プレドニゾロン30 mg/日(0.5 mg/kg/日)の内服を開始したが,潰瘍の縮小はみられなかった.アダリムマブを併用し改善傾向となったが,肺化膿症を合併し2回目の投与後に中止とした.PSLを漸減し12.5 mg/日の時点で,背部の潰瘍に対して全層植皮術を施行し,植皮の生着は良好であった.広範な潰瘍を形成し難治の壊疽性膿皮症に対して,自験例のように基礎疾患や合併症により治療の選択肢が少ない場合でも,アダリムマブの併用や十分な病勢コントロールのもとで植皮術などの外科的治療を行うことが早期の閉創に有用であると考えられた.
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