Japanese
English
症例
無治療で症状が改善した好酸球性蜂窩織炎(Wells症候群)の1例
Eosinophilic cellulitis(Wells syndrome)showing spontaneous remission without treatment
藤﨑 美沙子
1
,
内田 沙織
1
,
笠松 宏至
1
,
宇都宮 慧
1
,
尾山 徳孝
1
,
山村 健太郎
2
,
長谷川 稔
1
Misako FUJISAKI
1
,
Saori UCHIDA
1
,
Hiroshi KASAMATSU
1
,
Akira UTSUNOMIYA
1
,
Noritaka OYAMA
1
,
Kentarou YAMAMURA
2
,
Minoru HASEGAWA
1
1福井大学医学部感覚運動医学講座,皮膚科学(主任:長谷川稔教授)
2公立小浜病院,皮膚科
キーワード:
Wells症候群
,
好酸球性蜂窩織炎
,
虫刺症
,
自然軽快
Keyword:
Wells症候群
,
好酸球性蜂窩織炎
,
虫刺症
,
自然軽快
pp.86-90
発行日 2022年1月1日
Published Date 2022/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003055
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35歳,男性。3カ月前に左臀部の腫脹と右鼠径部に排膿を伴う結節が出現した。1カ月前から38℃台の発熱,両手の腫脹,両下肢の浮腫に加え,潰瘍と排膿を伴う貨幣大の皮下硬結が出現した。膿汁の一般細菌・抗酸菌培養は陰性。血液検査でWBC 15200/μl(eos 54.0%)。結節部の生検組織像は,真皮から皮下脂肪織にかけて好中球と好酸球からなる炎症細胞浸潤とflame figureの像を呈していた。生検組織の蛍光抗体直接法,抗酸菌染色,組織培養は陰性であった。好酸球性蜂窩織炎と診断し,安静と経過観察のみで好酸球数の正常化とともに皮疹は消退した。無治療で自然消退した報告は諸外国を含めて9例,本邦では自験例のみであった。
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